大規模言語モデルによる設計・検図業務補助
システム構築を実現

大規模言語モデルを活用した「ノウハウ回答ボット」と「検図Agent」をスズキ部品製造様と構築しました 。熟練者の知見を資産化し、設計から量産立ち上げまでのリードタイム短縮と品質の属人化解消を実現しました 。

背景 


 自動車業界ではBEV・PHEVへの電動化シフトが急増し、新規技術領域の設計対応が急務となっています。一方で、熟練技術者の退職によるリソース不足が深刻化しており、個人の経験や散在したデータに頼った従来の設計・検図体制では、高度化・複雑化する製品開発への対応が困難になっています。

課題 


1.ノウハウの属人化と断絶
 ベテランの経験則が明文化されず、若手への技術継承が進まないことで判断の根拠を仰ぐ相手が不足している 。
2.情報アクセスの非効率
 過去のトラブル事例や技術資料が散在し、必要な情報の探索に多大な工数を費やしている。
3.図面チェックの過負荷
 膨大な図面チェックが特定の技術者に集中し、見落としによる試作手戻りや遅延が発生している 。

アプローチ 


 社内ナレッジを連携させるRAG技術を用い、過去のトラブル事例やマニュアルから最適な回答を抽出するシステムを構築しました。また、複数の大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、制式図と粗材図の表題情報や寸法項目を自動で突き合わせる2段構成の検図Agentを導入しました。

ノウハウ回答ボットのシステム概要図
検図Agentmのシステム概要図

得られた結果 


 ノウハウ回答ボットにより、設計者が求める情報を質問形式で瞬時に検索できる環境を整え、実用レベルの検索精度を確認しました。検図Agentでは、表題情報のチェックにおいて100%の正解率を達成し、寸法判定においても主要な箇所の判定に成功しました。これにより、人為的ミスの抑制と検図負荷の低減を実現しました。

今後の展望 


 今後は社内システムの更新を検討し、部門内でのノウハウ共有を強化することで組織力の向上を図ります。さらに、図面の記載ルールや表記方法の統一を進めることでAIの認識精度をより一層高め、より強固な品質管理体制の構築を目指します。