ダイカスト量産データから鋳巣不良要因を特定し、品質安定化を実現

 量産データを解析して鋳巣不良の主要要因を定量的に特定し、重点改善を実施しました。鋳巣不良の発生抑制と、量産工程の品質および再現性の向上を実現しました。

背景 


 自動車業界では、ガソリン車からBEV・PHEVなどの電動車へのシフトが加速しており、ダイカスト部品においても、ガソリン系部品から電動車向け部品への転換が進んでいます。この変化により、従来にない新規部品の開発・生産が増加するとともに、開発期間のさらなる短縮が求められています。結果として、これまでの経験や知見が通用しない領域が拡大し、ダイカスト量産開始までのリードタイム短縮と早期の量産立上げが重要な課題となっています。 

課題 


1. 量産立上げまでの時間ロス 設計・試作から量産準備への移行に時間を要し、生産開始が遅延するケースがある。

2. 量産時の品質問題  品質の作り込みが不十分なまま量産へ移行することで、鋳巣不良や歩留まり低下などの品質課題が発生している。

アプローチ 


 現行の量産工程における各種成形条件を収集・分析し、鋳巣不良の発生要因をデータに基づいて特定。得られた結果をもとに、重点的な改善活動へと展開しました。

得られた結果 


  プロセスインフォマティクス技術を活用し、量産工程における主要な成形条件(例:金型温度、鋳造圧力など)が鋳巣不良に及ぼす影響を定量的に分析しました。その結果、各要因の寄与度と主要因を特定し、不良発生メカニズムを明確化しました。これをもとに改善対象の優先順位を設定し、重点改善を実施しました。その結果、鋳巣不良の発生抑制と量産工程の品質安定化、再現性向上を実現しました。 

今後の展望 


 今回得られた知見を基に、スズキ部品製造様内の他ラインへも同様の手法を展開し、横展開を進めてまいります。さらに、解析手法の適用範囲を拡大し、プロセスインフォマティクス技術をスズキ部品製造様全体へと広げることで、品質向上と生産性向上の両立を目指します。